ドメインコントローラーを構築すると,NTDSのディレクトリ内に,以下のようなファイルが生成されます。
ntds.dit
temp.edb
これらのファイルは実際に何を意味しているのでしょうか。
edb.chkファイルとは何か?
このedb.chkファイルは,チェックポイントファイルと呼ばれるものです。
他のドメインコントローラーで何かの変更が加わったとき,すぐに他のドメインコントローラーのデータベースに対してアップデートをかけるのではなく,変更をedb.logというログファイルに記録していきます。
そして一定のアップデートが溜まって,なおかつDBがアイドル状態の時に,DBに対してアップデートをかけるという振る舞いになります。
この時,edb.logに記録された差分情報をntds.ditファイルに適用する際,edb.chkファイルが,トランザクションを記録して,DBに情報が正しくコミットされるのを見守ります。
もし,DBの更新中にドメインコントローラーが異常終了したなら,このedb.chkファイルに記録されているチェックポイント情報を用いて,情報を再び更新することになります。
ntds.ditファイルとは何か?
このntds.ditファイルは,最もサイズが大きいファイルとなっているはずです。
これは,ドメインコントローラーの中でも最も重要なデータベースファイルです。
Active Directory内に存在する情報量が増加するにつれ,このntds.ditファイルも大きくなっていきます。
このNTDSという名前は,NT Directory Serviceの略で,拡張子のDITは,Directory Information Treeの頭文字をとったものです。
ntds.ditファイルには,スキーマの情報や,ドメインの情報,ADの構成情報やアプリケーションの情報など,ADの主な情報がすべて格納されています。
temp.edbファイルとは何か?
temp.edbファイルは,現在進行中のトランザクションを記録するための一時的な領域です。あるいは,ntds.ditファイルを最適化する際に,取り出したデータを一時的に記録しておくための領域としても使われます。
以上,ドメインコントローラー内に存在する,edb.chkファイルやntds.ditファイル,temp.edbファイルの正体についてでした。
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