Office 365のライセンスにはたくさんの種類があって,どのライセンスで何ができるのか,非常に分かりにくく感じるかもしれません。
特に,EやFが何を意味しているのか日本人には分かりずらいということも関係していると思います。
それで,Office 365のライセンスを理解しやすくするために,なぜそれらのライセンスがE1とかF1と呼ばれているのかを解説します。
Office 365のF1ライセンスの目的について
まず,Office 365のF1ライセンスについてですが,どうしてF1という名前が付いているのでしょうか。
公式サイトの説明を見ると,こうなっています。
Office 365 F1 の目的は、現場の最前線で働く従業員が最高の仕事をできるようにすることです。Office 365 F1 には使いやすいツールとサービスがそろっており、自分のスケジュールとタスクを簡単に作成、更新、管理できます。さらに、コミュニケーションと共同作業や、トレーニングと研修にも役立ち、会社のニュースやお知らせをすばやく受け取るための機能もあります。
現場の最前線で働く従業員のために用意された,とのことなのですが,はっきり言って何を意味しているのか日本人にはさっぱり分かりません。F1ライセンスのことを調べていると,何度も「現場の最前線で働く従業員のため」という表現が出てきます。
営業も,部長も,社長も,みんな現場の最前線で戦っているんだという意識を持っている熱い人たちからすると,この説明ではよく分からないわけです。
でも,英語でその理由を見てみると明らかなのですが,このライセンスは,“Firstline”ワーカーが必要とする製品群をバンドルしたライセンスだということです。
Firstlineワーカーとは,つまり,デスクトップPCの前で一日中作業をしているワーカーに対して,出先で働くことが多いワーカーという意味です。
それで,このライセンスは,Firstlineの頭文字からとってF1ライセンスというネーミングになっています。
含まれているライセンスには,デスクトップ用のOfficeアプリケーションなどは含まれていません。
しかし,それらを出先で開いて商談を行うことは多々あるので,モバイルアプリケーションで開いたり,簡単な修正を行ったりすることはできるようになっています。
SharePointなどにもアクセスすることができますし,オンライン会議にも参加することができます。しかし,それらの資料をデスクトップで作成したり,大規模な会議を開催したりするために特化したライセンスではありません。
こういう背景を考えると,F1ライセンスがどのようなワーカーに最適なのか,F1ライセンスにどんなアプリが含まれているかをイメージしやすくなるでしょう。
Office 365のE1ライセンスの目的について
E1ライセンスは,Enterpriseライセンスの頭文字をとって,E1ライセンスです。Enterpriseの軽いバージョンということになります。E3/E5と数字が大きくなるにつれ,機能がリッチになっていきます。
E1ライセンスには,やはりオンラインバージョンのOfficeしかバンドルされていませんが,それでもより大きなメールボックスと,OneDriveのストレージがついています。Skype for Businessのフル機能も使えますし,DelveやPlannerも含まれています。
Office 365のF1ライセンスとE1ライセンスの比較
E1ライセンスでは,50GBの容量がもらえることに比べ,F1ライセンスでは,2GBとなっています。大きくはないですが,F1ライセンスのターゲット層を考えると,十分だともいえます。
Skype for Business
SfBは,E1ライセンスとF1ライセンスで大きく異なっている部分と言えるでしょう。
E1ではすべての機能が使えることに比べ,F1では,チャット,そして会議への参加ができるのみです。自分で会議を開催したり,ビデオ会議を行ったり,デスクトップシェアを行ったりすることはできません。
ファイル共有,ストレージ
E1では1TBのOneDrive容量が与えられることに比べ,F1では2GBのストレージ容量となっています。ドキュメントを保存するだけという利用用途が想定されているのでしょう。
Teams
これは,E1/F1ともに,1対1での会議か,あるいはグループ会議に参加することだけが可能です。会議を自分で作成することはできません。
価格
F1は月4ドル,E1は月8ドルですので,半額です。
最前線で働くワーカーのために十分な機能だと思えるようでしたら,月額4ドルは非常に安いと言えるかもしれません。
以上,Office 365のF1ライセンスとE1ライセンスについてのまとめでした。
その他の細かい比較表はいくらでも情報が出ていると思いますので,ここでは言及いたしませんが,これらの情報が,ライセンスの方向性の違いをつかむのに助けになればと思います。
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