Ciscoのスイッチを触っていると,Bridge Assuranceという機能が出てきます。
公式ドキュメントで,Bridge Assuranceを調べてみても,今ひとつ理解しにくい部分があります。
Bridge Assuranceとは,ブロードキャストストームを防ぐためのCiscoの機能ということは何となく分かるのですが,STPとはどのように違うのでしょうか。
STPの問題は,うっかりループが作られてしまったときに発生します。ループができてしまう原因には次のようなものがあります。
1.単方向のリンク 2.デバイスの故障 3.コンフィグのエラー 4.外部システムのフォワーディング(ハブや非STPスイッチやデュアルNICでブリッジしているサーバーなど)
エッジデバイスに接続すべきネットワーク機器とインタフェースの間でフォワーディングフレームとして扱われるべきインタフェース群をコントロールするために,このBridge Assuranceという機能をCiscoが開発しました。
Bridge Assuranceの機能を要約すると
このBridge Assuranceの機能を簡単に要約すると次のようなものになります。
・UDLD – Uni-Directional Link Detectionの略ですが,単方向のリンクをブロックステートにし,フォワーディングループができることを防ぎます。
・BPDUガード – BPDUフレームを受け取ったポートをディセーブルします。これは,他のスイッチに接続されるべきではないエッジポートにおいて有効です。
・ループガード – リンクが単方向になったポートをブロックします。
・ルートガード – ポートがルートポートになったりブロックポートになったりすることを防ぎます。
・ブリッジプライオリティ – STPドメインの中で,ルートブリッジを定義します。
Bridge Assuranceの機能詳細
Bridge Assuranceは,RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)や,MST(Multiple Spanning Tree)ネットワークにおいてのみ機能します。
この機能によって,ネイバースイッチが誤動作して転送すべきでないフレームを転送してしまう,といったことを防ぎます。
Bridge Assuranceは,ポイントツーポイントのリンクにおいて,BPDUを受信するかどうかを監視しています。
もしBPDUが受信されなくなると,ポートがブロックステートになります。(実際には,「ポートの不整合」というステートになり,転送をやめます。)
BPDUが再開すると,ポートは再び,通常のRSTP/MSTモードに戻ります。
これは,単方向のリンクについても同様です。つまり,ネイバースイッチが誤動作してSTPがBPDUを送らなくなってもフレームを転送し続ける時と同じです。
以上,Bridge Assuranceという機能が,STPを補完してループを防止するための機能というお話でした。
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