オライリーの技術本シリーズは,表紙に動物がデザインされていることで知られています。しかし,なぜ動物なのか,その意味についてはあまり知られていません。
表紙デザインは,オライリー社のCreative Directorとして働くEdie Freedman氏によるものです。
彼女自身が,技術本であるオライリーシリーズの表紙になぜ動物を採用したのか,その意味と理由について以下のように述べています。
オライリーの動物の歴史
1980年代後半から,オライリーの動物の表紙をデザインするたびに,なぜ動物が表紙にデザインされているのか,その意味を尋ねられた。
人々は,あるタイトルについてある動物が割り当てられるたびに,その表紙の意味を色々と推測したりもする。
オライリー本の著者でさえも,自分の著作の表紙に疑問を持ったり,ある場合には怒ったりする。カバが表紙になっているのは太った著者への当てつけなのか,とか,アホウドリのようにアホだという意味なのか,など。
ある動物を選んだ理由について明かすことはしないが,選んだ理由があるということは確かだ。
ある時,オライリー社から依頼があって,新刊の表紙を提案してほしいということだった。
その時,UNIXという言葉は聞いたことがあったが,それが何を意味するのかはよく分かっていなかった。
UNIXプログラマーにも会ったことが無かったし,viを使って文章を編集しようとしたこともなかった。
viとかsed,awk,uucp,lex,yaccなど,そういう単語からイメージされたのは,当時人気だった”Dungeons and Dragons”というゲームだった。それで,UNIXプログラマーという存在を,そのゲームのプレイヤーをイメージしながら考えるようにした。
また,本の表紙を考え始めたとき,19世紀の木製の彫刻から着想を得た。その変な生き物が,UNIXという変な語調にぴったりで,その難解な感じがUNIXプログラマーなる人たちにも訴えかけると思ったのだ。
しかし,オライリー社で,動物の表紙を初めて提案した際,彼らはあっけにとられたようだった。
「気持ち悪いよ!」「誰も手に取らないよ!」「怖い!」と人々は言った。しかし,Timはその奇妙な動物が気に入ったようで,他の本とも差別化するのにとても良いと考えた。
これが今では,オライリーの動物の表紙として世界的なブランドになっている。
というわけで,UNIXという奇妙な語感から,ゲームの世界観をイメージし,それにはちょっと気持ち悪くもある動物の線画イラストがピッタリだと思った,ということですね。
オライリーの動物のイラストはだれが書いている?
オライリーの動物の表紙は,以下のイラスト集から取られています。
http://store.doverpublications.com/0486237664.html
ここには,哺乳類,鳥,魚,昆虫の線画イラストが載せられており,確かに動物だけでなく,鳥や魚や昆虫も表紙になっていますね。
オライリー本でもテイストが違う表紙がある理由
しかし,オライリーシリーズでも,時おり,テイストが違う表紙になっていることがあります。
例えば,Lispを見てみてください。謎の地球外生命体が描かれています。
どこをどう見ても,いつものオライリーではありません。
あとは,侍なんかもいます。
このことに関しても解説されており,オライリーらしくない本については,動物を使わないことがあるということです。
また,hacksシリーズなどを中心に,オライリーらしい本であっても動物を使わないことが多いようです。
以上,オライリー本の表紙に描かれている動物の意味や由来についてでした。
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