VeeamにおけるVBK / VIB / VBMファイルの役割とは?

Veeamをバックアップに用いている場合,バックアップサーバー内に,いくつかの種類のファイルが生成されます。

代表的なものとして,以下のようなファイルがあります。

VBK – フルバックアップファイルです。最もサイズが大きいファイルです。

VIB – 増分ファイルです。バックアップを取得するたびに,この増分ファイルが生成されますので,複数のVIBファイルが生成されていきます。

VBM – バックアップジョブのメタデータをXML形式で管理しているファイルです。

VBKとVIBファイルが保護データを格納しているファイル

Veeamでバックアップジョブを作成すると,まずVBKファイルが作成されます。

これは,現時点での保護対象のデータサイズと同程度の大きいサイズのファイルになります。フルバックアップのファイルだからです。

そして,次のバックアップジョブが走った段階で,VIBファイルが作成されます。これは,前回のバックアップからの増分を保存するファイルです。

前回からの変化量が大きければ,VIBファイルも大きなものになりますし,全く変化がなければ,VIBファイルは小さくなります。

このように,VBKファイルを頭として,VIBファイルが子供のようにチェーンになっているひとまとまりで,バックアップを構成しています。

VBKのフルバックアップファイルに,VIBファイルが積み重なってチェーンを構成する

VBKのフルバックアップファイルに,VIBファイルが積み重なってチェーンを構成する

VBMファイルの役割は?

少し説明が必要なのは,VBMファイルです。VBMファイルは何の役割を果たしているのでしょうか。

VBMファイルは,関係するバックアップのメタデータを管理しているXMLファイルです。

VBMファイルが存在しないとどうなるかというと,Veeamはバックアップファイル自体からメタデータを読み取りに行きます。しかし,バックアップ対象が巨大化していくと,このファイルのメタデータを読みに行くというだけでも,大量のI/Oを発生させてしまいます。

そのため,メタデータだけを管理するVBMファイルが別ファイルで作られて用いられるようになりました。

VBMファイルはいつ生成されるか

VBMファイルは,バックアップジョブが走っている間,何度か生成されます。

走っているジョブに幾つのVMが含まれているのか,あるいは同時に走っているタスクがいくつあるのか,そういった幾つかの要素が関係しています。

最初にVBMファイルが生成されるときの挙動についていえば,Veeamはバックアップジョブに関連するすべてのメタデータを収集し,Veeam.Backup.Managerというプロセスに渡します。

しかしこのプロセスは大量のI/Oを発生させるため,次回以降の増分バックアップの際には,前回作られたVBMファイルを参照します。

VBMファイルには何が記録されているのか

VBMファイルはテキストベースのXMLファイルで,普通にメモ帳なので開いて見ることができます。

その中には,バックアップジョブの概要,つまり,バックアップ対象のVMの情報,リストアポイントの情報,VMのディスクドライブの情報などです。

VBMファイルが存在しなくても,インポートやリストアを行うことはできます。しかし,このVBMファイルがあるなら,バックアップをインポートするプロセスは非常に早くなります。

以上,Veeamでバックアップを取る際の,VBK,VIB,VBMファイルについての概略でした。

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